なぜ友達の生命保険に入ってはダメなのか-最適な保険の選び方-

社会人になって、昔の友達から保険の勧誘を受けたことありませんか?

私はあります。

もともと仲の良かった高校時代の友達に、久しぶりに会わない?って言われて、ノコノコ会いに行った私。「今、仕事何やってるん?」という私の言葉を待ってましたとばかりに笑みを浮かべる友達。「実は保険の外交員を始めてね」という切り出しから、いつのまにか保険の設計書をもらう流れに。。。社会人になって保険も加入してなかったので、まぁ友達だしねって思い、次に連絡のあった3日後、何となく契約。

そして失敗しました。

当時23歳の初夏でした。

今でこそ、個人資産の運用好きが高じて、趣味でFP技能検定2級(中小事業主資産相談業務)を受けて合格した私です。私のような失敗をして欲しくないと思い、この記事を書きました。

目次

私の失敗談:保険の見直し時に修羅場

今思い返せば、「友達だから」失敗したんだと思います。

友達の紹介で加入した保険は、月々2万円ほどの、死亡・がん・老後の収入補償等が組み合わさった5つの商品でした。

今考えても、保険の商品自体は「最悪」という程ではなく、可も無く不可も無くというレベルでした。友達も、私のために一生懸命、考えてくれたんだと思います。

でも、もっと良い保険商品(保障内容がほぼ同じで、月3千円近く安い保険)を別の人に紹介され、そのことを相談したときに修羅場が訪れました。

「俺が信用できないの?」「今までの掛けた分が丸損だぜ」「あとせめて2年は続けてくれ」「分かった。もういいよ。じゃあな」

こんな調子で、最後は気まずい空気の中、約3年間続けた保険を、微々たる返戻金とともに解約をしました。その後、その友達とは会っていません。

保険は組合せが命

保険といっても、国内・海外にある数多くの保険会社から、実に様々なタイプの商品が毎年のように登場しています。

例えば、死亡保障を厚くする商品、入院時の補償を厚くする商品、死亡も入院もがんに特化する商品、解約返戻金を大きくする商品、節税に有利な商品など様々です。

もちろん、保険各社とも、いろんなタイプの商品を設計していますが、全ての会社の商品を並べたときに、同じ保険会社がトップを独占しているということはなく、お得な商品はその時代その時代でバラバラの会社の商品であることが多いです。

保険会社の外交員の限界

そんな数多くの保険商品の中から組合せたとき、自分に合った最適な保険というのがあります。

ところが、1つの保険会社に縛られる外交員は、自社の保険の中からでしか保険を組み合わせることが出来ません。また、自社以外の保険商品に詳しくないことも珍しくありません。

となると、友達が、あなたのことを一生懸命考えて設計してくれた保険商品の組合せも、他社を織り交ぜた最適な保険商品と比べ、月々数千円の違いがあったり、一番適切な保障内容ではなかったりします。

保険は高額商品

数千円くらいなら友達だし・・・・・・って思っていると痛い目を見ます。

例えば月3千円の差があり、30年間払い続けるとすると、なんと掛け金だけで108万円も差が出る計算になります。

もちろん、その他の保障内容や解約返戻金等も加味しなければいけませんが、決して小さい数字ではない額です。

保険の内容は環境の変化とともに見直すべし

私の場合、20代前半から加入した保険だったので、保障内容に比べて掛け金は安くなっています。

でも、逆に言えば、25~60歳までの長期間の契約の場合、35年間、自分を取り巻く状況に全く変化がない・・・・・・なんてことはありません。

独身時代は、死亡保障なんて別に無くて良いとさえ思っていました。でも、32歳で結婚し守るべき家族が出来てからは、残された家族への当座の生活費くらいは・・・・・・なんて思うようになりました。

収入も20代に比べれば今(40歳)は上がっていますが、それ以上に生活費や子どもの学費等の支出も上がっています。もし今、新しく保険を組むのなら返戻金の額よりも死亡保障を手厚くしつつ、 保険料を安く抑えたいところですね。

逆に、あと15年(僕が55歳くらい)もすると、子どもが成人します。仮に私が死んだとしても、遺族年金もありますし、保険金が少なくても生活していけます。その場合は、死亡保障を下げて入院保障や返戻金の額などを手厚くする保険への見直しを考えるかもしれません。

生命保険は 自分を取り巻く環境の変化とともに、保険料の金額だけではなく、保険の保障内容も含めて見直すことが前提の金融商品だと覚えておいて下さい。

保険は見直すことが前提なので、友達はNG!?

自分を取り巻く環境の変化を考慮して保険の見直しを考えるとき、友達から入った保険だと、見直すこと自体、気が重くなりますね。

でも、ある程度年数が経っていると、意外とあっさり解約できることがあります。

実は、生命保険は加入してから数年(商品によりますがだいたい5年くらい)で保険の販売代理店への営業手数料(コミッション)が無くなることがほとんどです。つまり、10年前後継続していた場合、あなたが保険を継続しようが解約しようが、友達の収入にはあまり影響しないんです。

ただ、だからといって同じ友達に見直しを任せてしまうのは、オススメしません。 自分の取り扱う保険商品の中でしか見直しができないからです。

それに、独身時代の頃なら良いでしょうが、ある程度年齢を重ねて家族も出来ると、それなりの資産があったりローンなどの借金を抱えている場合もあるでしょう。それらを友達に赤裸々に開示するのはある程度覚悟が要ります。

ではどうしたら良いのでしょう?

保険は信頼できるプロに相談しよう

お金のことは、信頼できるお金のプロ(FP等)に相談するのが一番です。

僕自身、FPの技能検定を2級まで合格したので、お金の相談は友達ではなく信頼できるFPにするのが良いと考えています。守秘義務を遵守してもらいながら、家族構成や収入・資産状況などを把握してもらってからアドバイスを受けると、最適な保険を見つけることが出来るからです。

でも、FPはお医者さんと一緒で、風邪っぽいからといって整形外科に行かないように、保険に詳しいFPもいれば、事業承継や相続に長けたFPもいます。専門外のことは、普通の人よりも少し詳しいくらいの知識しか無い場合もありますので、注意が必要です。

かくいう私も、FPの技能検定は中小事業主資産相談業務という項目での合格なので、自分の保険はともかく、他人の人生にも関わる保険の見直しに具体的なアドバイスを出せるほどではありません。

では、どんなFPに相談すると良いのでしょうか?

どんなタイプのFPに相談するのがいいか

一番良いのは様々な保険会社の商品に詳しくて、自分は保険商品を扱っていないFPに相談料を支払って相談する方法です。利害関係がない分、一番あなたのために考えてくれると思います。相談料は地域によって差はありますが1時間で5千円~3万円程度。たとえ相談料が高く感じても保険商品は高額なので 長期的にみると数十万円以上の差が出ます。

相談料を払わなくてもすませたい場合は、自らも保険を扱っているFP です。相談料の分を保険のコミッションでまかないます。その場合の注意点は、一つの保険会社としか提携していないFPよりは、複数の保険会社と提携しているFPの方が、保険商品の選択肢が広がるので有利です。

では、どうやって探せば良いのでしょうか?

信頼できるFPを探すのは意外と難しい

実は、生命保険の選択に的確なアドバイスをくれるFPを自力で探すのは、意外と難しいです。

というのも、保険の外交員になるためにFPの技能検定合格を必須としているところが多いので、FPの資格があるプロといっても、単なる保険の外交員だったりするからです。

また最近は、街角でも相談無料の保険代理店の店舗が増えてきていますが、事前調査をせず考えなしにお店に入ると後悔することになるかも知れません。悪徳代理店っというほどではなくても、お店に入った時点で向こうの土俵ですから、勧められると断りにくくなるからです。

とはいえ、信頼できるFPを探すのが難しいっで終わっては少し無責任なので、私なりに見つける方法を調べてまとめてみました。別記事にしたので、そちらを参考にしてみてください。

>>生命保険を見直す人必見!自分に合った保険の探し方

まとめ

まとめになりますが、友達の生命保険には入らない方が良いという最も大きな理由は、保険の解約や見直し時に人間関係が悪化する可能性が高いことです。

家族構成や資産状況など、自分の個人情報をさらけ出したうえで関係が悪化した場合、私の経験上、けっこうな確率で泥沼化します。共通の友人に、契約破棄の件を尾ひれをつけて語られるかも知れないし、プライベートを暴露されるかも知れません。プロ意識がない人だと、友達という甘えから守秘義務を遵守する意識が薄いからです。

これが保険の契約で初めて知り合った人だと、クレームも言いやすいし、二度とその人とつながりを持たないこともできます。最悪の場合、裁判沙汰にしても友達相手よりは、はるかに気が楽です。

でも、それが特に学生時代からの友達の場合、同窓会の案内状が届くたびに憂鬱な気持ちになります。実際、私も高校の同窓会の案内が来ると、出席の返事を出すのをためらうようになりました。

お金の切れ目は縁の切れ目といいますが、友人だとそんなに簡単に縁が切れるものではないです。親友だとなおさらです。だからこそ、お金の相談は信頼できるプロに任せるのが一番だと声を大にして言いたいです。

ぜひ、参考にしていただき、私のような失敗をされないでくださいね。